二年振りの再会・・・

 『居た居た・・』と頭の上で声がしました・・。
目の前に女性が現れ、顔を上げるとHさんが立っていました。ちょうど2年振りですが、容姿には全く変化が見られません・・。

 大学の研究室の仲間と年一回旅行をする・・と云う催しが始まってから、16年が経ちました。4人のメンバーが交代で幹事をして旅行の企画を立て、一泊の旅行を行うものですが、昨年は台風で中止を余儀なくされ2年振りとなりました。

 朝の通勤・通学ラッシュの時間帯は、ローカル線でも結構な混み具合で、ようやく見つけた席から立つのも面倒で、そのまま座っていると、マメなHさんが車内を探して歩いて来たようでした。早速同じ列車に乗っている筈のY君にメールを送っています。

 2駅過ぎ、車内がやや空き始めた頃、Y君が姿を現しました。こちらも手に登山用のストックを持っている事以外は変わらぬ容貌です。最近膝痛により歩行に支障が出始めたとの事。旅行前のメールのやり取りでも盛んに訴えていました。

 今回はK君が幹事で、紅葉の日光路を散策する日帰りのツアーです。これまでは全て一泊でしたが、今回はいろいろな事情から日帰りとなり、更にY君の足の具合によってはコース内容の見直しも懸念されますが、取り敢えず集合場所に向かいます。

 隣県に済むK君とはローカル線のほぼ中央付近が中間点で、そこで合流し、私鉄に乗り換え日光に向かう計画です。集合駅の手前は暫く前の台風で橋が流され、不通になっていましたが、復旧したのがつい数日前と云うタイミングの良さです。

 車内アナウンスを聞きながら徐行する列車の窓から外を見ると、長閑な平野部の景色が広がっています。川幅に比べたら極端に細い水路で、これが橋脚を流すほどに増水したとは、とても想像できませんでしたが、自然の力を見せつけられた気がしました・・。

 合流点では、これも変わらぬ姿のK君がにこやかに出迎えてくれました。乗り換えた私鉄は何度か利用した事が有りますが、各駅停車は初めてで、景色もゆっくり見られ新鮮な感じです。車内は空いていて、早速各自の近況報告が始まります。

 最初の訪問先は数年前に亡くなった有名作曲家の記念館です。名前は有名ですが、どんな作曲を・・と言われても即答できません。所が中に入って見ると、現役を含め亡くなったビッグネームの曲の殆どを作曲している事が分かり、改めて驚きです。

 『こんな事でも無ければ一生来る事は無い場所・・』と言うK君の言葉に全く同感で、全員から感謝の言葉が出ました。再び電車に乗り目的地の日光へと向かいます。ゆっくりなら歩ける・・と言うY君を尊重し、駅前から歩く事にしました。

 1キロ半近い道のりを何とか歩き切り、昼食の「Hの屋」に到着、早速用意された席に着きます。ゆば会席の最上位との事で、香の物と甘味以外は全てゆば・・。ガラス戸越しに見える最盛の紅葉が、更に味に彩りを添えてくれます。

 一口・・という事で飲んだビールがエネルギーになったのか。Y君、とうとう東照宮の入口まで歩き切りました。流石に東照宮の中は階段が多く、ここまでという事でUターンです。参道の下り道は逆光となり、紅葉が一段と鮮やかに見えます。

 会が途切れぬようにと、来年の幹事になるY君に、三人がかわるがわるに膝を養生するよう話しかけます。陽が山陰に入ると辺りは夕暮れの気配となり、光を失った紅葉はくすみ始めます。いつしか街道には初冬の寒気が漂っていました・・・。    konakry 





未・紅葉湯檜曽川.JPG                    < 錦秋の日光路 >

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